一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

Q105 百日咳菌抗体(EIA法)を依頼しましたが、結果報告書にはPT-IgGとFHA-IgGの2種類の抗体が報告されていました。どのように解釈したら良いでしょうか。

A105

百日咳菌抗体(EIA法)はIgG抗体を検出する検査で、小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017にて診断フローが改訂されてIgA抗体、IgM抗体が保険適用されるまでは、第一選択の百日咳抗体検査でした。

しかし、現行のガイドラインでは、IgM抗体、IgA抗体がいずれも陰性の場合に百日咳菌抗体(EIA法)を測定することになっています。また、以前は百日咳菌抗体(EIA法)にて抗体価が100EU/mL以上であれば、「百日咳確定」でしたが、現行ガイドラインでは「百日咳の可能性は高いが確定できない」に変更されています。(総合検査案内2018 77ページ参照)

百日咳菌抗体(EIA法)では、以下の2種類の抗体価を報告しています。

上記より、臨床診断にはPT-IgGの検査結果にて判断します。ただし、ワクチンにはPTFHAが共に主要抗原として使用されていることから、ワクチン接種による効果判定にはPT-IgGFHA-IgGにて判断します。

< 検査のご案内 >

 

担当 生化・免疫係

 

 

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