一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

Q49 血中アンモニアの検体は、なぜ除蛋白液の入った専用容器に採り、氷水中 に浸して提出しなければならないのですか。

A49

生体中では、アンモニアは蛋白やアミノ酸から生成されますが、肝臓で代謝・解毒され排泄されています。また、赤血球中のアンモニア濃度は血漿中の約3倍高いと言われています。この反応は採血後も採血管内で持続しており、検体を放置すると赤血球からのアンモニア遊離や、蛋白・アミノ酸からのアンモニア生成により測定値が上昇します。
上記のことから、本来、血中アンモニアの検体は、採血後に除蛋白液と混合した後、“速やかに遠心分離”して上清を分離するのが理想とされています。しかし当検査センターにご依頼の場合は、“速やかに遠心分離”することは難しく、そのため、できるだけ正確に血中アンモニア値を測定するためにも、以下の点に留意していただくことが必要となります。

 

①採血は除蛋白液入りの専用容器に採取します。
(⇒これにより、検体中の蛋白やアミノ酸が除去されます。)
②採血後すぐに氷水中に浸します。
(⇒これにより、採血管内でのアンモニア生成反応が抑えられます。)

 

できるだけ正確な検査データをお返しするためにも、上記①②を守っていただき、速やかにご提出いただきますよう、ご協力のほどよろしくお願い致します。

 

 

Q&Aは広島市医師会会員及び当検査センターをご利用の医療関係者(医師、看護師、臨床検査技師等)を対象に臨床検査に関わる情報を提供しています。掲載する情報は、一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。