一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

臨床検査センターインフォメーション
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新規実施項目のお知らせ

平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
このたび、新たに下記の項目が受託可能となりましたのでご案内いたします。
ご利用いただきますよう、お願い申し上げます。

 

■実施日 平成29年 11月 30日 () ご依頼分より

■新規実施項目

 

ペランパネル
新しい作用機序の抗てんかん薬「ペランパネル」の血中濃度を測定いたします。

ペランパネル(商品名:フィコンパ)は、20163月に製造販売承認を取得し、同年5月に薬価収載および発売された抗てんかん薬です。他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)および強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法において、効能・効果が認められています。

てんかん発作の発生ならびに伝播には、興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸と、グルタミン酸受容体が重要な役割をもつと考えられています。中でも、AMPA(α-amino-3-hydroxy-5-

methyl-4-isoxazolepropionic acid)受容体は、広く中枢神経細胞に分布し、非常に速い神経伝達を行うことが知られています。ペランパネルは、グルタミン酸によるAMPA受容体の活性化を選択的かつ非競合的に阻害することで、神経の興奮を抑制するという新しい作用機序を有しています。

本項目は、LC/MS/MSによりペランパネルの血中濃度を測定いたします。血中濃度のモニタリングは、服薬コンプライアンスの評価や薬物相互作用による影響の確認、投与量の調整を行う際の指標となります。

 

▼疾患との関連

てんかん

▼関連する主な検査項目

レベチラセタム
ラモトリギン
ラコサミド

 
 

尿中NGAL
急性腎障害(AKI)の早期診断補助等に有用な新規尿中バイオマーカーです。

急性腎障害(Acute Kidney InjuryAKI)は急激な腎機能低下と腎組織障害をきたす病態であり、ICU症例において多く発症します。AKIは多臓器不全や敗血症のような致死率の高い疾患を併発することから死亡率が高く、予後改善のために早期の診断と治療介入が求められています。

AKI診断には血清クレアチニンと尿量を基準とした分類が用いられていますが、AKI発症から血清クレアチニン値の上昇までに2472時間を要することから、早期診断への問題が認識されています。そのため、腎障害を鋭敏に反映するマーカーが必要とされています。

好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(Neutrophil Gelatinase-Associated LipocalinNGAL)は、尿細管に急激なストレスがかかると、遠位尿細管での産生増加および近位尿細管からの再吸収阻害が生じ、数時間で尿中排出量が増加することから、AKIの早期診断に有用として注目されています。また、尿中NGAL1日後には半減するため、発症原因の特定や回復期のモニタリングにおいて病態をリアルタイムに反映するバイオマーカーとして期待されているほか、AKIの重症度や予後予測の指標となる可能性が示唆されています。

▼ 疾患との関連

急性腎障害(AKI)

 

▼ 関連する主な検査項目

シスタチンC
N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)
L型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)