一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

臨床検査センターインフォメーション
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新規実施項目のお知らせ

謹啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
このたび、新たに下記の検査項目が受託可能となりましたのでご案内いたします。
ご利用いただきますよう、お願い申し上げます。

敬白

 

 

■実施日 平成29年 4月 1日 (土) ご依頼分より

新規実施項目

*以下に項目情報(臨床的意義)を掲載しています。
 

●CDT/トランスフェリン比
習慣飲酒マーカー、アルコール性肝障害の鑑別マーカーとして期待される新しい検査です。
CDT(糖鎖欠損トランスフェリン)は、血清トランスフェリンに結合している多糖類側鎖が欠損したトランスフェリンアイソフォームで、多量のアルコール摂取を続けることで上昇します。一般的に、エタノール約50~60g(日本酒3合)を2週間以上にわたり毎日飲酒した場合、CDT値が上昇する原因となります。
欧米では、CDTは慢性的な多量飲酒者のスクリーニング、飲酒量及び禁酒のモニタリングに有用な習慣飲酒のマーカーとして使用されています。
本邦においては、肝障害患者におけるアルコール性肝障害の診断補助を目的とした体外診断薬として承認されました。また、相当量の飲酒にも関わらずγ-GTが異常値とならない群(ノンレスポンダー)においてもCDT値の上昇が見られたとの報告があることから、γ-GTとCDTは互いに相補的なマーカーと考えられます。
非アルコール性疾患のうち、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、肝不全、CDG(先天性糖鎖合成異常)症候群では、疾患に基因してCDTが増加する可能性があります。また、妊婦のCDTは高値になることが報告されています。
本検査は、CDT値とトランスフェリン値の比を%CDTとして算出いたします。CDT値は、トランスフェリン値、鉄状態、肝機能障害などの影響を受けますが、%CDTとすることでその影響を最小限にしてご報告いたします。

▼疾患との関連

●アルコール性肝障害

 
▼関連する主な検査項目

●γ – GT(γ – GTP)
●AST(GOT)
●ALT(GPT)