一般社団法人広島市医師会臨床検査センター

Hiroshima City Medical Association Clinical laboratory

臨床検査センターインフォメーション
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新規受託項目のお知らせ

謹啓  時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別なご高配を賜り厚くお礼申し上げます
このたび、下記の検査項目を新たに受託開始いたしますので、ご利用いただきたくご案内いたします。
今後とも引き続きお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

敬 白

 

実施日 平成26年  8月  1日(金)  ご依頼分より

■新規受託項目

※下記をご参照ください。

 

FGF-23:骨細胞によって生成されるリン代謝を調節するホルモン様分子
FGF-23(fibroblast growth factor 23:線維芽細胞増殖因子23)は、骨細胞によって産生され、リン代謝を調節するホルモン様分子として知られています。
FGF-23の作用異常が関係する疾患には、低リン血症性くる病・骨軟化症などの代謝性骨疾患があり、これらの疾患では、血中FGF-23濃度が上昇することが明らかになっています。
また、慢性腎臓病(CKD)患者では、腎機能の低下に伴うリン負荷を改善するために血中FGF-23濃度が上昇することが分かっており、FGF-23値は、高リン血症や2次性副甲状腺機能亢進症の発症、CKDの進行の指標となる可能性があります。本項目は、生理活性を持つ全長FGF-23を特異的に測定します。
ミコフェノール酸:免疫抑制剤の薬物血中濃度測定検査
ミコフェノール酸は、免疫抑制剤ミコフェノール酸モフェチルが生体内で加水分解されることによって生じる活性代謝物です。
ミコフェノール酸は、de novo系のDNA合成経路を選択的に阻害することでリンパ球の増殖を抑え、臓器(腎臓、心臓、膵臓、肺、肝臓)移植後の拒絶反応を抑制します。その後、グルクロン酸抱合体として主に尿中に排泄されます。
ミコフェノール酸モフェチルは、作用機序や副作用の異なる薬剤と組み合わせて用いられることが一般的ですが、その相互作用により腸管循環が阻害され、ミコフェノール酸の血中濃度が低下する場合があります。移植後の急性拒絶反応を予防するためにAUC(血中濃度-時間曲線下面積)などの体内動態パラメーターを管理することが重要と考えられます。
亜鉛トランスポーター8(ZnT8)抗体:1型糖尿病の診断および進展予測検査
1型糖尿病は、自己免疫機序により膵β細胞が破壊されて発症する自己免疫疾患です。
亜鉛トランスポーター8(ZnT8)抗体は、抗GAD抗体や抗IA-2抗体、インスリン抗体と同じ膵島関連自己抗体です。
1型糖尿病発症時に検出される膵島関連自己抗体の種類は個人によって異なり、1種類の自己抗体を測定した結果が陰性であっても自己免疫性1型糖尿病の否定はできず、膵島関連自己抗体の組み合せ解析が有用であるといわれています。抗IA-2抗体やZnT8抗体が若年発症例に高率に検出されるのに対し、成人発症例では抗GAD抗体が検出されやすい傾向があるといわれています。
亜鉛トランスポーター8(ZnT8)抗体の測定は、抗IA-2抗体、抗GAD抗体、インスリン抗体が陰性である1型糖尿病を発見でき、診断効率が上昇すると報告されています。
本検査は、1型糖尿病の診断および進展予測の検査として期待されています。